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在宅医療20周年

往診対応の在り方

昔私が在宅医療を始めたころ、往診対応がうまくできずに、なかなか患者さんが増えない時期がありました。

最後までの療養を支えるどころか、紹介される患者さんが、皆すぐに入院してしまって戻ってこなかったのです。これはいけない。なんとか在宅で支える努力をしなければと思い、少しずつ往診対応の仕方を工夫するようにしました。するといつしか患者さんは入院しなくなり、さらに自宅で最後まで過ごされるようになることができました。ここでは私自身の往診対応の成長の過程を、誤嚥による発熱が継続し、徐々に呼吸状態が悪化する患者さんを例に、4段階に分けてお話しします。

文:英裕雄(三育会理事長 新宿ヒロクリニック院長)

段階1

発熱時、呼ばれる時だけ往診したケース(呼ばれた時だけ往診した例)

解熱剤、抗生剤等を処方して、「まずこれで様子を見ていただき、もし何かあれば連絡をください。」と言って往診終了。その後2度、家族からの往診依頼があるも、同様の対応をする。医療的には間違いがないが、患者さんの状態は改善せず徐々に悪化。しかもその間、電話連絡をしても往診には時間を要したため、なかなか往診してもらえないという気持ちになり、家族の不安や不満も徐々に増大化した。

→最終的に家族判断で入院。家族も在宅療養中の不安感が残り、二度と在宅には帰らないと決心された。

段階2

訪問診療頻度を上げながら、対症的治療を継続しつつ、こまめに見守り対応したケース(頻度を上げるも医療対応に終始した例)

抗生剤、解熱剤を処方しつつ、呼ばれないように、なるべく家族の不安が高じないように頻回訪問で、状態観察や症状改善に努めた。しかし、対症的対応だけでは、症状は改善せず、徐々に状況は悪化するために、結局往診医が救急受診を指示して入院となる。

→在宅療養中の不安は少なかったが、こまめな医療的対応でも在宅療養を支える限界を感じ、自宅での療養は困難と考え、入院での療養に切り替えた。

入院なら同様の対応で、状態改善するのに、なぜ在宅では状態改善しないのか?と頭をひねらすうちに、はたと気が付く。そうだ。入院しているときには、看護婦さんの手厚い介護があったからだ。

そこで・・・

段階3

頻回訪問と同時に、チームの対応体制を構築したケース(上記の対応に加えて介護環境整備に配慮したが、その後の成り行きに任せた例)

対症的対応を十分講じつつ、急いでケアチーム(特に訪問看護ステーションやケアマネージャー)に連絡して、特別訪問看護指示を行い、頻回な吸引など排痰ケアを行いつつ、介護負担に配慮するヘルパー体制を構築、さらに頻回に往診など総合的対応で、徐々に状況改善。

→入院しないで、自宅での症状改善につながった。しかしその後も同様の症状が続いたので、その都度同様の対応を要した。最終的には胃瘻造設。その後療養型病院に転院された。

これでもまだ足らないのか?どこまで・・・

段階4

その後の療養の仕方を協議し、コンセンサス作りに留意したケース(さらに予防、初期対応、ギアチェンジなどを行った例)

その間に今後もこのような誤嚥による発熱などがあり得るが、その予防法、初期対応法などを皆が共有化する。またその後は食事をあまり無理することなく、口から摂れるものを摂り、無理なく療養するという方針をみんなでコンセンサスを作る。その後徐々に食事摂取量は低下するも誤嚥の併発は免れ、自然な療養が続き、最後まで自宅で過ごされる。

→自然な自宅療養のほうが意義深いと感じ、これならば病院に入院する必要はないと家族が自ら実感できたケース

ようやくできた・・

それでもいつもいつもうまくいくわけではないが・・・・

とにかく、在宅医療では、単に型通りの医療対応ではなく、いかに不安解消して、療養の質の向上を心掛けたかが大切なようです。医療的対応と同時に、ケアチーム作り、療養方針づくり、生活指導、不安解消などを複合的に行っていくことが大切なのです。

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ドクター対談 第1回

ドクター対談

英裕雄医師(三育会理事長・新宿ヒロクリニック院長)×向山雄人医師(在宅緩和ケアセンター長)

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